本棚散歩

トガリ山のぼうけん(全8巻)感想イメージイラスト

トガリ山にのぼるのなら、風がうまれるところを見てきてちょうだい。

トガリ山のぼうけん(全8巻)より

食料は現地調達。獣や鳥から身を隠し、天候とも戦わなきゃいけない。 ネズミとテントウムシ。限りなく食物連鎖の下の方にいるコンビだけど、意外にもたくましい。食べられそうにな…

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護られなかった者たちへ感想イメージイラスト

護られた者たちとそうでなかった者たちの境界線はいったいどこにあったのだろうか

護られなかった者たちへより

遠慮深いことが美徳とされていた時代は遥か昔。大きな声で自分の権利を主張する者が得をし、他人様に迷惑をかけてはいけないと真面目に生きる人が損をすることもしばしば。 権利の…

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美しい顔感想イメージイラスト

自分は今、おそらく美しい顔をしているだろうと思った。

美しい顔より

主人公のサナエは、マスコミを見下しながらも、彼らが望む「けなげな被災者」を演じることで生きる気力をとり戻していく。 実際、取材が入った地域には多くの支援物資が届くように…

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じっと手を見る感想イメージイラスト

自分の心のなかにしか、僕がいられる場所はないのだ。

じっと手を見るより

窪美澄作品に出てくる人物はみんな、残酷なほど正直だ。とても静かなのに、人間の不完全な部分を容赦なく、えぐってくる。 日常にかすかに漂う閉塞感や、華やかさとはほど遠い現実…

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空中ブランコ感想イメージイラスト

馬鹿を装っているのか、あるいは真性の馬鹿なのか……。

空中ブランコより

神経科なのに、診察にきた患者はまずビタミン注射を打たれる。患者の腕に刺さる針をじっと見つめて、医者は鼻息を荒くしている。そう、この医者、かなりヤバイ。 でもこのヤバさが…

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としょかんライオン感想イメージイラスト

おおきなこえをだしたのは、どなたですか?

としょかんライオンより

看板犬、ネコ駅長、川にひょっこり現れたアザラシに住民票を交付しちゃったり、本物の動物がマスコットとなって人気を集めるケースはよくある。それなら、看板ライオンだっていても…

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母が若年性アルツハイマーになりました。感想イメージイラスト

お母さん、やっぱりアルツハイマーだったよ。

母が若年性アルツハイマーになりました。より

明るく社交的だった自慢の母が、病によってどんどん変わっていってしまう。母を好きだからこそ、その現実を受け入れることができずに悩む娘の感情が、赤裸々に描かれている。

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オリエント急行の殺人感想イメージイラスト

いくら偶然の一致といっても、それじゃすこし行き過ぎですよ。

オリエント急行の殺人より

いまさらアガサ・クリスティーの読書感想文をウェブに書く? 発売からすでに80年以上。数え切れないほどのお歴々が書評を書いてきているだろうし、ショッピングサイトのレビュ…

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砂上感想イメージイラスト

言葉は人を殺す道具です。作家はその道具で食べてゆくひどい生きものです。

砂上より

家族だからというだけで無条件に愛情が芽生えるわけではない。互いに無関心だけど、長く一緒に暮らしていたから相手のことはある程度分かってしまう、だから余計にイライラする。そ…

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本棚散歩について

おもしろいと思った本のレビューを公開するブログ。
小説をメインに絵本とか幅広く紹介したいけど、やっぱり好みに偏るかも。
目指すは「読んでみようかな」と思ってもらえる読書感想文。
ネタバレはしないので、結末はぜひ自分で読んでみて。

かいている人

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たかみー

好きな言葉「のらりくらり」

◆今月のおすすめ

わかった。今日は君に付き合おう。

コロナと潜水服より

あらすじ

子育てが一段落し、若いころから憧れだった初代フィアット・パンダを購入した直樹。
新潟で車を引き取り東京へ帰る途中、古いカーナビに導かれ目的とは別の場所にたどり着く。
そこで直樹は、赤いパンダの思い出を持つ人とめぐり合う。

少し不思議な5作を収録した短編集。

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