水は薄くなるけど、思い出は薄くなりませんよ クグが拾った物語より 子どものころ、ユニコーンの角を拾った。 どう考えても樹脂製だったけど、形がまさに、折れた角だったのだ。 見つけたときは友達と大盛りあがり。 手のひらサイズの角ってことは…
あめふれあめふれ グアグアグア アマガエルのうたより 旅に出ると、新しい出会いや発見にめぐり合うことがある。 当たり前だと思っていたものが、実は特技だと知ったり。 ちょっと角度を変えるだけで、新しい景色が見えたり。 でもそ…
リアルなものを作るな。信じられるものを作れ ドゥニ・ヴィルヌーヴの世界 アート・アンド・サイエンス・オブ・メッセージより 記憶を消してもう一度見たい映画は? と聞かれたら、三本の指に入るのが『メッセージ』。 ストーリーも映像もそれまでのSF映画とはまったく違って、映画館で見た時は打ちのめさ…
彼にも家族がいて、バックグラウンドがあるのだ。 我が家のヒミツより 学生の頃に『家日和』を読んだ。 もちろんおもしろかった。でも刺さるまではいかなかった。 だからなんとなく、家シリーズは素通りしていたんだけど…… それから十年以上が経っ…
森の生き物たちはおたがいを必要とし合っているんだ。 ふしぎの森のふしぎより 洗濯した子どもの服のポケットから粉々になったダンゴムシが……なんて話をたまに聞く。 ひと昔前なら、トンボの羽をむしるとか、カエルに爆竹を……とか 子どもと生き物のエピソ…
いいや、一緒にサブレがいてくれるんだから。それだけでいい。 恋とそれとあと全部より 色々なことを気にしすぎてしまうサブレ。 そのせいで周りからはちょっとめんどうな子だと思われている。 そんなサブレのことが好きなめえめえ。 そういうめんどうくさいところも…
昔はわたしもバンドをやってたんだよ。あれより前…… いずれすべては海の中により SFだけど、細かい設定は説明してくれない。 読んでいくうちに少しずつ、その世界の事情や、主人公が置かれている環境が見えてくる。 手探りで物語を進んでいく読書体験は、クセ…
どんな物語を想像するかは、この本を読むあなた次第です。 ものがたりの家 吉田誠治 美術設定集より 住人のいない家は朽ちると言うけれど、この本に出てくる家はすべて、生きている。 その土地や文化に適応した住居 そこで生きる住人の人生 このふたつがミックスされて、他にはな…
この幸せは、永遠に失ったはずだった。 君といた日の続きより 時間は有限。 当たり前のことだけど、幸せなうちは、それが永遠に続くような気がしてしまう。 気づくのはいつだって、手遅れになったあと。 でも、もし失った時間をもう一度、取…