虹になるのを待て…… 虹を待つ彼女より この本は、「ジャケ買い」した。 表紙のイラストは冒頭のシーンを描いたものなのだが、これがあまりに衝撃的で、裏切られた。 しかし最後まで読み進めると、表紙のイメージそのま…
地図を手に入れたんだ。クジラの歯にほってあるんだよ ジンゴ・ジャンゴの冒険旅行より 舞台は19世紀、アメリカ南部からメキシコを目指す冒険小説。 宝探しのワクワクに、馬車にジプシーにヒル治療など、開拓時代の文化が融合した、子どもも大人も楽しめる作品。
なにがおまえたちを、悪ではなくしているんだい? 願いをかなえる呪文(ザ・ランド・オブ・ストーリーズ)より 数年前の「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」という新聞広告があった。 一方にとっての「めでたしめでたし」は、もう一方にとっては悪夢でしかないかもしれ…
あたしにあんたを置いていけるわけがないでしょう? クリスマスに少女は還るより 「いっそ雪が降った方が暖かいのに」 いつだったか、雪国が舞台のドラマでそんなセリフがあった。 この作品は、珍しくクリスマス近くになっても雪が降らないニューヨークの田舎町…
りんごが ひとつ おちていた。みんな おなかを すかしているよ。 りんごがひとつより 「同じことをやってうけるのは3回までだ!」 ちゃんとした言い回しは忘れてしまったけど、三谷幸喜脚本の「笑の大学」の中でこんなセリフがあった。 そういえばこのおさる、特に…
「……私、そんなに悪いことした?」 噛みあわない会話と、ある過去についてより 『かがみの孤城』では、分かり合えない人間と無理に関わる必要はないという逃げ道を提示した。 この作品では、分かり合えない人間と真っ向から戦う。 面白いのは「戦う」なのか「…
一番楽な話し相手はゴンのようだ。 ゴンちゃん、またね。より ひとり暮らしをしている人間が生き物を飼うと婚期が遅れる。毛の生えた生き物、表情のある生き物は特によくない。 私の父の言葉だ。なるほど。ごもっとも。
可哀想って言ってるとき、あなたすっごく嬉しそうですよ 「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。より マスコミやSNSの情報拡散に違和感を感じている人は「そうだそうだ」とうなずけるはず。 ただがむしゃらに戦ったり批判したりするのではなく、そうした世の中で自分がどう生きて…
明日からまた新しい冒険が始まるのね。 ルーム・オブ・ワンダーより 主人公のテルマはシングルマザーでキャリアウーマン。仕事ではタフな彼女も、事故を防げなかった後悔や、これまでの自分の母親ぶりを振り返って、深く落ちこんでしまっていた。 そ…