一般的に、暴力の世界で女性は弱者に回りがちだ。
新道はそこをやすやすとひっくり返してくれる。
力を誇示することはないが、ケンカを売られた瞬間、嬉々として相手をボコボコに…
著者は今作で、線香花火を「火花の爆ぜる音は、傘に降り注ぐ雨音のようだ」と表現している。
楽しい記憶につながる花火、けれど使えば使うほど残りが減っていく。
悲しい記憶につ…
いずれも短い期間を切り取ったお話。
平凡な日常にふいに不思議ななにかが現れ、慣れてきたころには、いずこかへ去っている。
なんだよ、もっといてくれてもよかったのに。
とい…
こんなものにも名前がついているのか、と驚かされることがある。
なんでもないような一瞬を慈しみ、それを言葉として表現しようとした人がいたのだと考えると、ロマンティックとい…
映画を2倍速で見る。
小説の最初と最後とあとがきだけ読んで内容を把握する。
そうすればより多くの作品を摂取できるから、ということらしい。
でもそれって、ちゃんと作品を味…
異世界転生ものと、入れ替わりもののミックス。
そこにプロの暗殺者と現代のいじめられっ子という、生存競争ピラミッドの上位と下位を当ててくるのがおもしろい。
一見すると、ふ…
災害派遣で炊き出しをする自衛隊の映像を、ニュースなどで見たことがある人は多いはず。
被災者に温かい食事を提供する裏で、自衛官たちは冷たい缶飯を食べている。
けれど空井は…
両刃の斧——ラブリュスは怪物を閉じこめた牢獄に掲げられていたもので、迷宮(ラビリンス)の語源ともいわれる。
迷宮を切り開こうと振り上げた斧が、後ろにいる大切な人を傷つけ…
護衛艦で『ダイ・ハード』をやりたかった。
作者がそう言う通り、船という閉ざされた空間でテロリストと戦うお話。
そこにおじさんミーツ青年のドラマを織りこんだ、海洋冒険小説…