神経科なのに、診察にきた患者はまずビタミン注射を打たれる。患者の腕に刺さる針をじっと見つめて、医者は鼻息を荒くしている。そう、この医者、かなりヤバイ。
…日本の小説

言葉は人を殺す道具です。作家はその道具で食べてゆくひどい生きものです。
砂上より
家族だからというだけで無条件に愛情が芽生えるわけではない。互いに無関心だけど、長く一緒に暮らしていたから相手のことはある程度分かってしまう、だから余計にイライラす…

ジョバンニはこういう棚から活字を拾っていくんですよね。拾った活字を箱に入れて……
活版印刷三日月堂 星たちの栞より
高校の図書館に古いシェイクスピアの全集があった。「おや、妖精ぢゃないかどこへゆくの?」なんて古めかしい書き方をしていたので決して読みやすくはなかったが、なんだかそ…

もしイチ彼と結婚できたら私は夫を見張り続ける看守の花嫁になる。
勝手にふるえてろより
このタイトルを見て、どういう作品を想像しただろうか。
目に飛びこんだ瞬間ドキッとさせる鋭さ、突き放すような乱暴さ、いじけたような湿っぽさ、そういっ…

どうか信じてください。今がどんなにやるせなくても、明日は今日より素晴らしいのだ、と。
ナミヤ雑貨店の奇蹟より
悩みを書いた手紙を「ナミヤ雑貨店」のシャッターの郵便受けに入れると、翌朝、店の裏の牛乳箱に店主からの返事が入っている。
だれでも開けられる牛乳箱で…

「少なくとも、オレたち、助け合えるんじゃないかって」
かがみの孤城より
「辻村深月は初めて読んだ作品が暗くて2冊目に手が出なかった」という声をたまに耳にする。
まあ、言わんとすることは、分かる。
辻村さ…