『かがみの孤城』では、分かり合えない人間と無理に関わる必要はないという逃げ道を提示した。
この作品では、分かり合えない人間と真っ向から戦う。
噛みあわない会話と、ある過去についてより
『かがみの孤城』では、分かり合えない人間と無理に関わる必要はないという逃げ道を提示した。
この作品では、分かり合えない人間と真っ向から戦う。
ゴンちゃん、またね。より
ひとり暮らしをしている人間が生き物を飼うと婚期が遅れる。毛の生えた生き物、表情のある生き物は特によくない。
私の父の言葉だ。なるほど。ごもっとも。…
「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。より
マスコミやSNSの情報拡散に違和感を感じている人は「そうだそうだ」とうなずけるはず。
ただがむしゃらに戦ったり批判したりするのではなく、そうした世…
沈黙の町でより
初めにあらすじを読んだ時は、少年法への問題を提起する重厚なサスペンスかと思った。確かに少年が死んで、容疑者として同級生が浮上した。しかしこの作品が描いているのは、…
護られなかった者たちへより
遠慮深いことが美徳とされていた時代は遥か昔。大きな声で自分の権利を主張する者が得をし、他人様に迷惑をかけてはいけないと真面目に生きる人が損をすることもしばしば。<…
美しい顔より
主人公のサナエは、マスコミを見下しながらも、彼らが望む「けなげな被災者」を演じることで生きる気力をとり戻していく。
実際、取材が入った地域には多く…
じっと手を見るより
窪美澄作品に出てくる人物はみんな、残酷なほど正直だ。とても静かなのに、人間の不完全な部分を容赦なく、えぐってくる。
日常にかすかに漂う閉塞感や、華…
空中ブランコより
神経科なのに、診察にきた患者はまずビタミン注射を打たれる。患者の腕に刺さる針をじっと見つめて、医者は鼻息を荒くしている。そう、この医者、かなりヤバイ。
…砂上より
家族だからというだけで無条件に愛情が芽生えるわけではない。互いに無関心だけど、長く一緒に暮らしていたから相手のことはある程度分かってしまう、だから余計にイライラす…