日本の小説
店長や困った常連客のことを心の中でののしったり。
「マジで本気で辞めてやる!」と思いながらずるずる続けてしまったり。
働く人ならきっとどこかしら共感できるエピソ…
六郎と浩太の間で言葉少なな会話が交わされるたび、お互いのことをあまり知らなくても、強い結びつきが生まれていくのが分かる。
話は短いけど、山を一歩一歩登っていくみた…
子どもが知る親の姿は実はとても断片的で、仕事中の姿を見るとびっくりしたりする。
家と学校という狭い世界で生きている年頃にはかなり衝撃的で、一番近いと思っていた人が…
劇団の話なのに、なかなか芝居が始まらない。
残っている団員は、芝居の才能や情熱はあるのに、そのための現実的な準備は何もできない者ばかり。
演劇ド素人の富士の…
いつもこの記事を書き始める時に、とっかかりになる言葉を探す。記憶に残った1文とか、最初に浮かんだ感想とか。
この作品の場合は「鮫島がカッコいい」のひと言に尽きる。…
残虐な手口と、優れた知識と行動力で爆破を繰り返す礼子。
自分を理解してくれる相手とともに破滅したいという、かなりあぶない願望の持ち主だけど、行動は常に冷静で、その…
出てくる人物は全員、後ろ暗いところをかかえている。
リズミカルに進む会話の裏には、常にかすかな緊張感とサスペンスの予感がただよっている。何気ない会話のようでいて、…
生活が便利になった代わり、多くの夢と仕事が奪われた。それも、いち企業の、いちサービスで。
状況の受け止め方はそれぞれだけど、音楽に関わる者たちは一様に、閉塞感をか…
横山作品は本の分厚さと扱う題材のせいで、ガッチガチに固くて重たいと思う人が多いみたい。
でも実際読んでみると、大きな事件を、それに向き合うひとりの人間の物語に落と…