あらすじ
謀反人の疑いをかけられ、聖女の称号を剥奪されそうになるヴィクトリア。
そんな彼女の前に現れた辺境の騎士・アドラス。
自分が皇子である可能性が急浮上し命を狙われているアドラスは、自分が“皇帝とは無関係であること”を証明するために、ヴィクトリアの力を必要としていた。
アドラスと行動をともにするヴィクトリアは、皇位継承権をめぐる争いに巻き込まれていく。
謀反人の疑いをかけられ、聖女の称号を剥奪されそうになるヴィクトリア。
そんな彼女の前に現れた辺境の騎士・アドラス。
自分が皇子である可能性が急浮上し命を狙われているアドラスは、自分が“皇帝とは無関係であること”を証明するために、ヴィクトリアの力を必要としていた。
アドラスと行動をともにするヴィクトリアは、皇位継承権をめぐる争いに巻き込まれていく。
人は自分の都合のいいように物事を解釈する。
真実は二の次。
でもそうやって真実から目をそむけ続ければ、必ずどこかにしわ寄せがいく。
甘い幻想か、辛い真実か。
現実でも難しいその選択を、壮大なファンタジーの世界観で問うた作品。
ヴィクトリアは人には視えないものが視えるせいで、ちょっと浮いた感じがある。
加えて、彼女の力は視える“だけ”なので、なるようにしかならない、という妙な落ち着きがある。
それこそが、どんな真実であろうと目を背けずにいられる芯の強さへとつながっている。
建前とか打算といった変なフィルターがかかっていないヴィクトリアだからこそ、たどり着ける真実がある。
ラストの謎解きシーンは探偵ものさながらの大演説。
ファンタジーだけど、ちゃんとミステリー。
それなのに、本人は自分にそんな大層な力があるとはまったく思っていない。
自分のことみくびりすぎだよ、ヴィクトリア……。
アドラスのキャラも、いい。
命を狙われているのにあっけらかんとしていて、でもむっちゃ強い。
権力には興味ないけど、自分の責任もちゃんとわかっていて、あんまり好きな言葉じゃないけど、好青年って言葉がぴったり。
続きもありそうな予感。
マイペースなヴィクトリアとアドラスの組み合わせが、どうなっていくのか、楽しみ。