それでは、お返事待っています。

あらすじ

かつての教え子たち6人に会って、今どうしているか聞いてきてほしい。
大場は、小学生時代の恩師・竹沢からそんな頼みを引き受ける。

教え子たちに会ううちに、20年前に起きたある事件が明らかになっていく。

手紙でのやりとりで物語が進む短編集。

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手紙、久しく書いてないなぁ。

メールとはまったく違う。
拝啓から書き始めるのは固くるしい? と悩んだり。
手間と時間もかかる。

でも、手紙ならではの親密さ、言い換えれば一対一のプライベート感がいい。
そして、その隙間にミステリーを隠してあるのが本書のおもしろさ。

特に印象に残ったのは、あらすじに書いた『二十年後の宿題』。

教え子に会った大場は、20年前の事件について知る。

生徒6人を川へ連れていき、その内ひとりが流され、竹沢と夫が助けようとして夫は命を落とした。
生徒を救ったが、この事件が生徒たちのトラウマになっていないか竹沢は気にかけている。

そう思った大場だが、実際に現場にいた生徒たちの話を聞くうちに、最初の印象がどんどん変わっていく。

人は自分の知る範囲でしか物事を解釈できない。
そこをうまく使ったミステリーに仕上がっている。

かつ、登場人物が情報を整理した上で手紙にまとめてくれているので、非常に読みやすい。

手紙で綴るミステリー。