作家性を出したいのなら放送作家なんかやめろ

あらすじ

放送作家を目指す了(りょう)は、日本で一番稼ぐ放送作家が率いる作家集団《韋駄天(いだてん)》の新人採用試験に合格する。

そこで、企画作りの才能はあるけど人前でしゃべれない同期の花史(はなふみ)と出会う。
欠点を補いながら、ふたりは日本一の放送作家を目指す。

最初の●年はとにかく我慢。実力と経験が伴ってくれば、自分が本当にやりたいことができるようになる。
なんて言う人がよくいる。

でも実際はそこにたどり着く前に諦めてしまったり、我慢しているうちに自分のやりたいことや情熱を見失ったりしてしまうことも。

テレビ業界を舞台に、才能がある人と、才能に憧れる人がぶつかり合うお話。

プロデューサー、ディレクター、出演者、スポンサー、それからそれから……

番組収録に関わる彼らを納得させつつ、視聴率が取れる企画や台本を考えるのが放送作家の仕事。

了と花史は、自分達が心からおもしろくて感動すると思える番組を作れば、クライアントも納得するはずと信じて突き進む。

一方、《韋駄天》の主宰・韋駄(いだ)は、数字を取るのは当たり前。クライアントの要求を叶えることが最優先で、そこに放送作家の感情は(なんだったら人権も?)必要ないというスタンス。

常にそこが比較されていて、どっちが正しいとも言えない。
そこへさらに才能の壁も現れて、思うようにいかずに落ちこんだりすることもある。

そんな中であっても、力を貸してくれる人や、信頼して仕事を任せてくれる人がいて、それは了と花史の情熱や仕事ぶりがあったからこそできたつながり。

まだまだヒヨッコだけど、信じたものを貫くふたりの姿は応援したくなること間違いなし。