高校の図書館に古いシェイクスピアの全集があった。「おや、妖精ぢゃないかどこへゆくの?」なんて古めかしい書き方をしていたので決して読みやすくはなかったが、なんだかそ…

もしイチ彼と結婚できたら私は夫を見張り続ける看守の花嫁になる。
勝手にふるえてろより
このタイトルを見て、どういう作品を想像しただろうか。
目に飛びこんだ瞬間ドキッとさせる鋭さ、突き放すような乱暴さ、いじけたような湿っぽさ、そういっ…

ベイビー、ベイビー、わたしを離さないで
わたしを離さないでより
この記事を書く時、いつもはあらすじから始める。そうすることで頭の中を整理できるし、設定と結末を書きだすことで、どこを隠すべきかがはっきりするから。でも本作は、あら…

どうか信じてください。今がどんなにやるせなくても、明日は今日より素晴らしいのだ、と。
ナミヤ雑貨店の奇蹟より
悩みを書いた手紙を「ナミヤ雑貨店」のシャッターの郵便受けに入れると、翌朝、店の裏の牛乳箱に店主からの返事が入っている。
だれでも開けられる牛乳箱で…

「少なくとも、オレたち、助け合えるんじゃないかって」
かがみの孤城より
「辻村深月は初めて読んだ作品が暗くて2冊目に手が出なかった」という声をたまに耳にする。
まあ、言わんとすることは、分かる。
辻村さ…

一九七〇年十二月の三日、かくいうぼくも夏への扉を探していた。
夏への扉より
SF、タイムトラベルものとしてはもちろん、「ネコ小説」としても有名な作品。
ダンが飼っているネコのピートは、雪が大嫌い。ピートは外で雪が降っている…

ちょっとめずらしい本って、あるかしら?
あるかしら書店より
表紙のおじさんが妙にかわいくて手にとった。
人のよさそうな表情と、豆大福を思わせるそのフォルム。見れば見るほど愛着が湧いてくる。ツンツンしたら柔ら…