むねはドキドキ。あしはガクガク。もうにげだしたい!

あらすじ

高いところ、注射、人前、暗いところ……

苦手なことを前にすると、怖くて逃げ出したくなってしまう怪獣達。

怪獣達がそういう気持ちになる時は、必ずそばに“ゾワゾワ”がいた。

「なにビビってんだ、だせえな」
とか言って考えなしに進んでいく怖いもの知らずは、真っ先に死ぬ。
数々の映画で証明されている通り。

ビビるってことは、用心深いってこと。
そう考えると、生きていく上で大事なスキルなんじゃない?

怪獣のサスピッチは注射が嫌すぎて、体がカチンカチンに硬くなった。
それでピンチを乗り切った。

なんじゃそりゃ、と笑ってしまった。

怪獣達は見た目だけでも個性にあふれているのに、ピンチを前に、自分の知らなかった能力が開花したりする。
すごい力があるんだからもっと自信を持っていい気もするけど、「怪獣なのに怖がりなんてなんて、カッコ悪いよ」と悩んでいる。

みんな見た目からは想像もできない怖いものがあって、親近感が湧く。

ただこのお話はピンチの乗り越え方を指南するのではなく(人間には真似できないし)、ピンチの根っこにある恐怖=“ゾワゾワ”との向き合い方を教えてくれる話。

恐怖は危険を回避するために必要なもの、そう悪いものじゃないんだよと優しく教えてくれる絵本。