死体は、万華鏡のごとく、色とりどりの表情を見せてくれます。

あらすじ

変顔で死んだら変顔のまま永久に固まっちゃう?
死んだニワトリは食べるのに、死んだ人間を食べないのはなぜ?
お父さんとお母さんが死んだら頭蓋骨をとっておきたいんだけど?

子ども達から寄せられた死に関する斬新な質問に、葬儀屋で“死の専門家”である著者が大真面目に、ユーモアたっぷりに答える。

よくわからない、知らないものは、怖い。
死に関する話題はなかなか日常会話に出しづらいし、残念ながら死んだ人の経験談を聞くこともできない。

「死そのものを楽しむことなど、できるわけがありません。しかし、死についての学びを楽しくすることは、できます。」

「はじめに」にある一節。
その姿勢が終始貫かれている、笑えるけどちゃんと学べる本。

とにかく著者の語り口が最高に楽しい。

ぶっ飛んだ質問に「すばらしい質問ですね!」と目を輝かせ、死体の防腐処置のやり方や、骨を傷つけることなく死肉を食べ尽くしてくれるカツオブシムシについて熱く語る顔が浮かんでくるよう。

ブラックジョーク、皮肉、悪ノリ、セルフツッコミ(時には編集者からのツッコミも)満載!

ジョークといっても、答えをはぐらかすわけじゃない。
オブラートに包んだりせず、ド直球に答えている。
そのストレートさが気持ちいい。

死体を扱う法律のことや、葬儀や死にまつわる文化や歴史などのちゃんとしたお話から、宇宙で死んだ時のハウツーなんて、実用的なんだかファンタジーなんだかわからない変わり種まで、話題は幅広い。

とにかく楽しくテンポよく読める。