あらすじ
創立130年の歴史ある全寮制の女子校、星華高校。寮で一緒の部屋になった1年生2人、3年生2人。
人間関係、家族、進路など、それぞれ悩みをかかえた4人の目線で描く高校生活。
創立130年の歴史ある全寮制の女子校、星華高校。寮で一緒の部屋になった1年生2人、3年生2人。
人間関係、家族、進路など、それぞれ悩みをかかえた4人の目線で描く高校生活。
女子校、寄宿舎、と聞いて最初に頭に浮かんだのは、ドロッドロの人間関係とか、閉塞的なお嬢様たちのイバラの楽園。そんなイメージだった。
けれど実際に読んでみると、なんとまあ清々しい読後感。
心を閉ざすことで自分の身を守ろうとする者、
自分の心を押し殺して他人が望む人物を演じ続ける者、
周りの期待と自分の才能のギャップに悩む者、
大切な人のためなら他人を傷つけることもいとわない者。
初めは4人とも、どうしようもなくひとりよがり。表面上はにこやかに会話しているが、腹の底では毒を吐いていたり、心にもないことを平然と口にできる自分に呆れていたり。
互いが互いに、うらやみ、憧れ、ねたみ、拒絶し……その感情をだれにも相談できず、自分の中で発酵させ続けてしまったりと、まあそのあたりは少しドロドロしている。
4人は性格も悩みも育った環境もばらばら。しかし同室で暮らすルームメイトたちの姿を見ているうちに、徐々に自分自身と向き合うことができるようになっていく。
そうして変化していった姿勢が、別のだれかを救う新たなきっかけを作っていく。
初めはよそよそしかった4人が、徐々に距離を縮め、知らず知らずのうちに支え合っていく。
自らの決意で歩みだす4人それぞれの結末は、初めとは比べ物にならないほど希望に満ちている。