おなかの中で、また、鳴きはじめるのでした。スーイッチョ!

あらすじ

子ネコの白吉は、庭で鳴いている虫に興味津々。

夜まで夢中で遊んでいた白吉は、あくびをした拍子に、うっかり虫を飲みこんでしまう。

しばらくすると、お腹の中から「スーイッチョ!」と鳴き声が聞こえてきて……。

1970年代に出版された作品の新装版。

そのため、文章はなかなかレトロ。

けれど、それが独特のリズムと味を出している。

虫のチョイスがおもしろい。
リンリンでも、コロコロでもなく「スーイッチョ!」
なんとも間が抜けていて愛嬌がある。

文章もイラストも、ネコのかわいい仕草をうまく切り出している。

白吉がお腹で鳴く虫にびっくりするシーンでは、子ネコが短い手足でバタバタ転げ回る姿が目に浮かぶ。

飲みこんだ虫がお腹の中で鳴き続けるという、笑えるけど、本人にしてみればかなり不気味な状況。

不安で泣きだしちゃう白吉はかわいそうだけど、かわいい。

親の忠告を聞かずに痛い目をみたり。
季節がめぐって見たことのないものと出会ったり。

子ネコの成長を見守っているみたいな、微笑ましい気持ちになる絵本。