地図には、行き先はかかれていないからね

あらすじ

一緒に旅をする、大きなパンダと、小さなドラゴン。

旅先で出会ったものや、自分の内面や、人生について、ふたりは語り合う。

のんびりとお茶を飲みながら。

何をやってもダメって時が、たまにある。

なんとかしようと必死にもがくほど、深みにはまっていく。

もうムリ! と諦めて寝転がったら、思わぬところに突破口が見えたりする。

そういう、いい感じの開き直りがずっと漂っている。

小枝みたいに小さなドラゴンは、リアリストで、時々、ネガティブに引っぱられちゃう。
相棒の大きなパンダは、いつものんびりしていて、どこまでも前向き。

先のことが不安になったり、これまでのことを後悔したりするドラゴンに、パンダは
まあ、落ち着いて。まずは今この時を味わおうよ。
と、お茶をすすめる。

逆に、パンダがちょっとしんみりしちゃった時は、ドラゴンが励ます。

でも決して踏み込みすぎることはしない。

たまたま進む方向が同じだから一緒にいるだけ、みたいな奇妙なコンビ。
だけどこのふたり以外に考えられない、最高のコンビ。

言葉も絵もとても柔らかいのに、たまに、はっとするくらい切れ味の鋭い名言が飛び出してきたりする。
大人にこそ刺さる絵本。

行き詰まった時に読むと、少し楽になるかも。