自分の動向が子どもにスパイされているなどとは、夢にも考えない。

表紙画像 :英国情報局秘密組織チェラブ Mission1:スカウト

あらすじ

11歳のジェームズは、母が死んだことで養護施設に入ることになる。

学校でも施設でもトラブルばかり起こしているジェームズのもとに、チェラブと名乗る組織が現れる。

チェラブはイギリス情報局の指揮下にある、子どもだけの秘密組織。
ジェームズはエージェントになるための訓練を受ける。

最後のページの、続刊の宣伝ページに「映画化決定!!」の文字が。
そんな映画あったっけ? と調べてみれば、やっぱり。立ち消えになったみたい。

おまけに、本国では17巻まであるけど、日本語版は10巻までしかない。
それ以降の翻訳の予定もないって、うそでしょ。

なんだか不遇な作品……。
残り9冊、大事に読まなきゃ。

子どものスパイなんて設定はインパクトがあるけど、話の内容は堅実なインテリジェンスもの。

少年たちが何も知らないふりをしてテロリストやその子どもに近づき、情報を探る。
身を守るための戦う術は身につけるけど、基本は最後まで疑われることなく引き上げることが目標。
SFじみた小道具が出てくるわけでも、子どもがスーパーヒーローになれるわけでもない。

だから、出てくる子どもがみんな普通。

そのへんにいそうな生意気なただの子どもが、訓練で強くなり、ピンチや失敗をなんとかくぐり抜けていく。

でも厳しい訓練を受けたってやっぱり子どもだから、ちょいちょいトラブルを起こしちゃう。
任務中なのに軽率なことをしたり、仲間とケンカしたり、女の子に目を引かれちゃったり。

主人公が読者から遠すぎないのがいい。

あー、子どもの時に読みたかった! きっと、ドはまりしてた。

私立探偵の著者が「読みたい本がない」と言う甥っ子のために書いただけのことはある。

だれか続きも翻訳して……。