あらすじ
16歳のマイクは、夜道で不思議な少女に出会う。
少女に導かれてたどり着いたのは、10代の子どもばかりが眠る、忘れ去られた墓地。
おびえるマイクの周りに次々に子どもが現れ、自分の最期を語り始める。
怖くて不思議な10人のショートストーリー。
16歳のマイクは、夜道で不思議な少女に出会う。
少女に導かれてたどり着いたのは、10代の子どもばかりが眠る、忘れ去られた墓地。
おびえるマイクの周りに次々に子どもが現れ、自分の最期を語り始める。
怖くて不思議な10人のショートストーリー。
ひとつひとつの話は短くて、さくっと読める。
舞台はシカゴだし、古いものだと19世紀の話もあるけど、子どもの目線から見る家庭や友達や学校を描いているから、不思議とあまり遠い話に感じない。
しかも、語り始める前に、この話の教訓(あるいは死因)はどこにあるのかを先に教えてくれる、とても優しい構成になっているから読書初心者にもおすすめ。
虚言癖のせいで取り返しのつかないことになってしまう、かわいそうな話から、呪いの鏡、願いを叶えてくれるサルの手といったザ・オカルトな話や、通販で買った謎の生き物があっという間に大きくなって襲ってくるB級ホラーな話まで。
子ども達はみんな個性的だし、話のバリエーションが広くて、次は何が飛び出すのか分からないワクワク感がある。
言ってしまえば、“この子は死ぬ”という究極のネタバレから始まっているのに、なかなか先の展開が読めない。
それもそのはず。死が訪れるその瞬間まで、自分が死ぬなんてこれっぽっちも思っていないから。唐突に命が途切れてしまう驚きと呆気なさが生々しくて、ファンタジーのはずが、妙に現実味がある。
ある瞬間に日常がひっくり返される感じや、知らないうちに常識から外れた存在がすぐそばにまで忍び寄っていた感じが、じわじわと怖い。
不思議やぞくぞくが足りてない時にはぴったりの一冊。