「ふふふ、きっと すごく こわがるよ」

あらすじ

ある古い家の屋根裏部屋で、だれにも知られず気ままに暮らしているおばけ。
ところがある日を境に、小さな女の子が毎日、屋根裏部屋にくるようになってしまう。

静かな自分だけの屋根裏部屋を取り戻すため、おばけは女の子を驚かせて追い返そうと考える。

空を飛んだり、透明になったり、小さくなったり、色々なことができるおばけ。

ところが、この女の子が意外と強敵。

ちょっとやそっとのことじゃ動じない上に、好奇心旺盛。
おばけが中に隠れて飛ばした紙袋を捕まえようとしたり、おばけの方がヒヤヒヤしちゃう場面も。

そもそもこのおばけ、見た目からして全然怖そうじゃない。
セクシー大根を思わせる、白くてちょっととぼけたフォルム。くりっとした目玉。
とっておきの怖がらせ技も、これがまた全然怖くない。

透明になって女の子から隠れている時のふくれっ面なんかもう、ほっぺとかお腹とかツンツンしてからかいたくなる。

そんな見た目で、自分だって怖がりなくせに、一生懸命に女の子を驚かそうとする姿がとってもかわいい。

文字では語られていないけど、どうして女の子が屋根裏部屋にくるようになったのかもちゃんと絵本の中に描かれている。
屋根裏部屋の背景も細部まで描きこまれていて、じっくり見返しても楽しい。

ちょっとあったかい気持ちになれる絵本。