あらすじ
ある夜、自分とすれ違った。
どこへいくのかと聞けば「あっちにすきなひとがいるからおいかけてる」と。
好きな人って何? 私は好きな人なんか、まだいないのに。
ある夜、自分とすれ違った。
どこへいくのかと聞けば「あっちにすきなひとがいるからおいかけてる」と。
好きな人って何? 私は好きな人なんか、まだいないのに。
直木賞作家が恋愛を題材に絵本を作るというプロジェクトから生まれた本作。
ちょっと変わった恋愛を描くというコンセプトを裏切らず、読み終えたあと、もう一度最初から読み直したくなる絵本。
もうひとりの自分と一緒に、まだ見ぬ「すきな人」を探しにいく。
文章はとても少ない。単純に文字を追うだけなら1分で終わってしまう。
けれど、旅先で主人公が出会う風景はどこも光にあふれていて、なかなかページをめくる手が進まない。
シンプルなイラストなのに、とても奥行きがあって、世界の広さや美しさに圧倒される主人公たちの会話が聞こえてくるような気がする。
そうした長い旅の末、ようやく見つけた「すきな人」。
きっと、この解釈は読んだ人によって分かれると思う。
何人かで一緒に読んで、どう感じたのか語り合うと面白いかも。