あらすじ
熱狂的な人気を誇りながらも、最終巻を書き上げることなく作家が死亡した。
小説の結末を自分で探そうと、7人のファンが山奥の廃校に集まった。
再現生活は穏やかに進んでいるかに見えたが、なぜかひとり、またひとりとファンが離脱していく。
熱狂的な人気を誇りながらも、最終巻を書き上げることなく作家が死亡した。
小説の結末を自分で探そうと、7人のファンが山奥の廃校に集まった。
再現生活は穏やかに進んでいるかに見えたが、なぜかひとり、またひとりとファンが離脱していく。
ごりごりのミステリーを期待して読み始めたけど、ちょっと違った。
謎もあるけど、それよりも、人の心のゆらぎとか脆さの方に重きが置かれている。
生きる意味とか目標とかをなくした人が、救いを探すお話。
人気のキャラクターが死んだことで大炎上し、バッシングのせいで続きを書けなくなってしまった作家。そのまま最終巻を書き上げることなく死んでしまう。
続きを読めないことに絶望したファンが後追いで自殺をする(未遂に終わったけど)。
冒頭の状況で、もうかなりヘビー。
そこからいきなり、廃校で自給自足生活なんていう、林間学校の延長みたいなのどかなシーンが始まって、ちょっと感情の行き場がなくなりかけた。
これ以上、何が起きるっていうの?
っていう、ある種の諦めみたいなものまであった。
だって作者はもう死んでいる。小説の再現をしたって、結局そんなの気休めでしかないし、本人達もそれをわかってやっている。
それなのに、ジェンガを1本ずつ抜いていくみたいに、嫌な予感だけはどんどん増していく。
後半、そうした疑問が、畳み掛けるように開陳されていく。
色々と明らかになったのに、まだ
“え、でも、これで、どうすんの?”
という状態で、さっぱり何が起きているのかわからない。
このあたりで、もう完全にこの作品にハマっている。
しかも、これだけ振り回されたのに、この作品の本当の山場は謎がなくなったあとにある。
ずっと暗いところを進んできたからこそ、ラストの願いの真っ直ぐさが、とてつもなく眩しい。
ラストに登場人物がどんな行動に出るのかを、自分で見届けてほしい。