あらすじ
臆病で泣き虫なネズミのイグナートは、パンを分けてくれた人間の少女・ナタリアと友達になる。
次に会った時、ナタリアは塔のてっぺんに閉じこめられていた。
生まれて初めてできた友達を助けだすため、イグナートは立ち上がる。
臆病で泣き虫なネズミのイグナートは、パンを分けてくれた人間の少女・ナタリアと友達になる。
次に会った時、ナタリアは塔のてっぺんに閉じこめられていた。
生まれて初めてできた友達を助けだすため、イグナートは立ち上がる。
臆病者が大切なもののために勇気をふりしぼる、児童書の王道ストーリー。
たまに吹き出しやコマ割りされたページが登場する、コミックテイストなイラスト。
卑屈な主人公と、口は悪いけど心優しい少女というライトノベル的組み合わせ。
それぞれのいいとこ取りをしたような立ち位置の本。
「ごめんなさい」が口ぐせのイグナートは、家族はおらず、他のネズミにもいじめられて、常に涙目。
でも、ずっとひとりぼっちだったからこそ、初めてできた友達を見捨てられない。
目に涙を浮かべながら「ぼくのあし うごけ!」と必死に自分を奮い立たせる姿は健気で心打たれる。
個人的なお気に入りは、ネコのオレグさん。
大きな目で表情ひとつ変えずイグナートを追いつめる姿は、怖いのを通り越して美しい。ライバルだけど憎めないキャラクター。
イグナートが、どうやって天敵のオレグさんに立ち向かうのか。
小さくて弱いからこそ見える世界を描いた物語。