あらすじ
数々の名画を題材に、この絵は主婦の日常のこんな場面に見える、と大喜利する遊び「#名画で学ぶ主婦業」。
その秀逸な作品をまとめた1冊。主婦とTwitterの集合知。
数々の名画を題材に、この絵は主婦の日常のこんな場面に見える、と大喜利する遊び「#名画で学ぶ主婦業」。
その秀逸な作品をまとめた1冊。主婦とTwitterの集合知。
神話や宗教や歴史を描いた西洋絵画が、横に一文くっついただけで、日常の一場面に見えてしまう。
同じ経験がある主婦に刺さるのはもちろん、親にそういうことを言われたり、そういう顔をされたことがある若い世代にも伝わる。
歴史ある絵画と、幅広い世代が共感できるシチュエーションの融合は、予想外の楽しさがある。
暗殺された革命家を描いた風刺画が、お弁当が必要であることを当日の朝に知った絶望になったり。
死んだキリストを連れ帰ってきた宗教画が、酔いつぶれて帰ってきた旦那への呆れになったり。
遠征へ向かうナポレオンの肖像画が、休日に子どもを保育園に預けた直後の喜びになったり。
とにかく、絵と、そこに重ねる主婦の感情やシチュエーションのセレクトが秀逸。
人物の表情、仕草、絵全体が持つ雰囲気が、本当にそういう風に見えてくる。
笑いだけでなく、その絵画が本来はどんな場面を描いているのか、それが描いた画家はどんな人物なのかといった、正しい知識もちゃんと教えてくれる。
その解説も、学術的な説明がいつの間にか主婦の感情に帰結していたりして、芸が細かい。
ごてごてと重たそうな額縁に入れられたイメージのある名画たちが、こうして身近な題材に置き換えられると、なんだか親近感が湧いてしまう。
こういう芸術の入り口も、今の時代は大いにアリなんじゃないかな。