あらすじ
あるかしら書店は「本にまつわる本」の専門店。ここにはちょっと変わった本を探すお客さんがやってくる。
「○○の本ってあるかしら?」と尋ねれば、店主のおじさんは「ありますよ!」と色々な本をだしてきてくれる。
あるかしら書店は「本にまつわる本」の専門店。ここにはちょっと変わった本を探すお客さんがやってくる。
「○○の本ってあるかしら?」と尋ねれば、店主のおじさんは「ありますよ!」と色々な本をだしてきてくれる。
表紙のおじさんが妙にかわいくて手にとった。
人のよさそうな表情と、豆大福を思わせるそのフォルム。見れば見るほど愛着が湧いてくる。ツンツンしたら柔らかいに違いない。
表紙ですっかり心をつかまれてしまい、ぺらぺら立ち読み。
数ページ見るだけのつもりが、いつの間にか本気で読んでしまっていた。
もう一度読み返そうと表紙に戻ってきた時、おじさんの仏のように穏やかな顔ではっと我に返り、レジに持っていった。
「飛び出す絵本」「駈け出す絵本」「泣き出す絵本」「溶け出す絵本」
月明かりの下でしか読めない「月光本」
うまくいけばヒット作を実らせる「『作家の木』の作り方」などなど……
「なんじゃそりゃ」
とニヤニヤしっぱなしになるので、立ち読みはおすすめしない(当たり前か)。
おかしくて、かわいくて、夢いっぱいの本がページを埋めつくしている。
本の厚みは薄いものの、開いてみれば想像以上に読みごたえがある。
じっくり絵を味わいたい。なのに早く先が見たくて、左手の指はすぐにめくれるよう次のページをつまんで待っている。
「この絵本を描いた人は、本当に本が好きなんだろうなぁ」
と、読みながらさらに妄想がふくらんでしまう。
この本を読んで嫌な気持ちになる人は、きっといないだろうな。