あらすじ
円形劇場跡に住み着いた不思議な少女・モモ。
家族はいないが、町の人々に見守られ穏やかに暮らしていた。
あるときモモは、町の人々から時間を盗む灰色の男たちの存在に気づく。
モモは大切な人たちの時間を取り戻そうと立ち上がる。
円形劇場跡に住み着いた不思議な少女・モモ。
家族はいないが、町の人々に見守られ穏やかに暮らしていた。
あるときモモは、町の人々から時間を盗む灰色の男たちの存在に気づく。
モモは大切な人たちの時間を取り戻そうと立ち上がる。
映画を2倍速で見る。
小説の最初と最後とあとがきだけ読んで内容を把握する。
そうすればより多くの作品を摂取できるから、ということらしい。
でもそれって、ちゃんと作品を味わったことになるの?
灰色の男たちはどこにでも現れ、大勢いるのに人の記憶には残らず、みんな同じ見た目の不気味な存在。
彼らは言葉巧みに「時間の倹約」をそそのかす。
倹約した時間を貯金のように預ければ、あとで利子がついて、老後を贅沢に暮らせると。
灰色の男たちに巻化された大人たちは効率を求めるようになる。
仕事は質よりスピード重視。友達とおしゃべりしながら食事を楽しんだり、本を読んだり、のんびりぼんやりする時間は消える。
時間を貯めれば貯めるほど使える時間は減るので、さらに倹約し、心に余裕がなくなっていく。
モモの友達が時間に追われておかしくなってしまう様子は、ゾッとするくらいリアル。
無駄を嫌い、人生が無味乾燥になっていく。
忙しく働いているのでお金はあるが、貧乏なころの方が幸せだったかも。
みんな薄々気づいているけれど今さら戻れない。
一方のモモは、灰色の男たちが無駄とみなす、友達とおしゃべりしたり、一緒に空想をめぐらせる時間を大切にしている。
友達とすごす時間以外、なにもいらない。だから灰色の男たちも、モモだけは懐柔できない。
とはいえ、ただの女の子。
時間と同じくらい掴みどころがない灰色の男たちと、どう戦うのか。
それはぜひ時間を割いて、読んでみてほしい。